「目標が達成できない!」「何となく日々を過ごしている気がする!」
僕はここ数年、立てた目標を全て達成しまくる時期があった一方で、何一つ達成できていないんじゃないか?と感じてしまう時期が続くこともありました。
人間が新しい習慣を取り入れる事ができるのはせいぜい一ヶ月に一つ程度というのをどこかで聞いた事があったので、半年も何も習得or達成していないと感じる渇望感は凄まじいものがありました。
実際のところ自堕落な生活を送っていても、意識していない領域では人間の生産性は向上しているとも言えます。
例えばニンジンの皮剥きを上手にできるようになったり、部屋が散らからない雑誌の置き方を習得したり、ちり紙を捨てやすい位置にゴミ箱を移動したり。
そういった“大儀無き成長”ではなく、漠然と何かを達成したい!と思いながら日々を過ごすのは働き盛りの年頃ではツラいものがありますね。
実はそういった“目標そのものが曖昧”な時期を、実行するだけで夢の実現へと誘ってくれる魔法のエクササイズがあるんです。
それがブレインダンプ。
実践してみて分かったのですが、どうやらブレインダンプの効力は目標の達成率が上がるだけでは無いらしいんです。
このページの目次
ブレインダンプとは
「コピー一本で数億円を稼ぐ」というアメリカのある実力派コピーライターが、毎日欠かさず行っているという、仕事のパフォーマンスを最高に高める手法である。
ブレンダンプとはその名の通り、脳の中身を投げ捨てるエクササイズです。
著名な起業家や経営コンサルタントの方が推奨している事が多いので、経営セミナーなどに参加される方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
目的によって細かい方法が千差万別に存在してしまうので、この記事では初心者用と上級者(目的を設定する)用を解説しようと思います。
成功哲学の祖、ナポレオン・ヒルも願望を紙に書く事を推奨しています。
初心者向けのやり方
ブレインダンプの基本は紙に『やりたい事』、『やるべき事』、『やりたくない事』、『できる事』を100個ずつ書きなぐることから始まります。
「ゴミ出しをする」みたいな生活習慣に関するタスクから、「クライアントにメール」みたいな仕事に関するタスクまで全部です。
日常生活の中で何の当ても無く、「ヒマだなー」⇒「何かやりたい事ないかなー」⇒「フランス旅行に行きたいなー」と夢想してみても、「有給休暇取れるかなー」⇒「お金足りるかなー」⇒「パスポートの期限大丈夫だっけ?」と、時間やお金の無さなどの断片的な制約がまとまらずに頭の中で散見されて、やりたい事と制約が頭の中で悶々とし続けることになりがちです。
それも当たり前の事で、ここ数年では脳科学の分野でも2つ以上のマルチタスクを続けていると、単純に作業効率が悪くなって生産性に影響するだけでは無く、作業記憶力や問題の切り替え能力が落ちて認知機能の低下にもつながりかねないという研究結果も出てきています。
それを加味すると、フランス旅行に関する判然としないメランコリックな気分は、単に脳の情報処理能力を超えたタスクを与えてしまっているだけなのかもしれません。
パソコンで動画を10個も20個も同時再生させたりしないですよね?
まずは願望を出せるだけ出し切ってから。結論を下すことは一番最後でも大丈夫です。
用意するもの
- 紙
- ペン
- ※ふせん
ブレインダンプで必要なものは紙とペンだけで充分ですが、後の事を考えてふせんを使う人もいるそうです。
因みに僕は性に合わないので、ふせんを利用した事はありません。
手順補足
話しを戻しますが、100個もやりたい事、やるべき事を絞り出すと物凄く脳が疲れます。
普段から喫茶店でジャーナリングをするような習慣がある方でも数時間は掛かるはずです。
重要なのはとにかく思いついた事を全て出し切ることです。自分の心にウソを付かずに、出し切って、出し切って、もう出ない!と思った後に、更に出し切る!!
無謀に感じる中二病っぽいような事を思い浮かんでも、ちゃんと紙に書いてくださいね。
現状に甘んじて言語化することすら疎かにしていた潜在意識が次々に出て来るのを体験できるはずです。
それでも、『できる事』を絞り出す事はセルフイメージの向上に役立つので出来る限り書き出してみて下さい。
ブレインダンプの効果
「自分がやりたい事がわからない」
社会人生活を長年送っていると、あながちボンヤリした学生だけの問題では無いような気がしてしまいます。
自分のやりたい事を明確化しないと、そもそも物事を達成したり成功する確立なんて1%も生じて来ないですよね。
そういった意味では少なからず“引き寄せ効果” は期待できます。
また、友達の悩み事って、「それって、こうすればいいだけじゃん。」と案外簡単に解決できたりするものですよね。
願望や目標を可視化できるようになるので、それを客観視できるようになるのはタスク管理にも役立ちます。
最初はブレインダンプを行ってみても、取るに足らないタスクが多かったり、思うようにタスクの消化ができなかったりもしますが、何度も繰り返すうちに洗練されて、実行する障壁が低くなり、目標も達成しやすくなってきます。
言語化してリストを眺めるだけも一定の効果はありますが、ブレインダンプの真骨頂は次のフェーズにあります。
まずは願望を出し切ることが大事ですが、応用編の“実行するフェーズ”まで実践してみましょう。
応用編
せっかくブレインダンプで潜在意識を洗いざらい出し切ったのなら、実行できるタスクに落とし込みたいですよね。
実際に僕がどのようにカテゴリー分けして目標を達成しているのかをご紹介したいと思います。
ブレインダンプはその特性上、吐き出したものに優先順位をつけさえすれば自己実現ツールになりえます。
緊急性の高い重要なものを今すぐ行う
ブレインダンプ後、すぐに目に付く緊急性の高いものが幾つかあると思います。
『やらなければならない事』の中に入っている、せいぜい2~3日後までに終わらせなければならないタスクの事です。
- 数日後が期限の振り込みを済ませる
- 冷蔵庫の傷みかけのキャベツを食べる
これらは悠長なことを言ってられないので、四の五の言わずに真っ先に終わらせましょう。
カテゴリー分けする
後で便利なツールも紹介しますが、優先順位を決める前に軽くカテゴリー分けしてしまいましょう。
二度手間やマルチタスク防止のために、大雑把にまとめるだけで充分です。
ブレインダンプでは思いついたものを休み無く書き出していくので、抽象度が違うだけで本質的には同じものが複数入ってしまう事がよくあります。
恐ろしいことに僕の場合は『やりたい事』『やらなければいけない事』『やりたくない事』の3つに“部屋の掃除”が入っていました。
しかし、同時に『やりたい事』に“ミニマルな生活環境を整えたい”という願望と、『やりたくない事』に“部屋がダサイまま”や“非効率な行動”というものがありました。
どれも方向性の異なる具体性に欠けたビジョンにも見えますが、矛盾している事も無さそうです。
それだけ潜在意識では室内環境に対する不満で神経をすり減らしていたんですね。
あまり散らかっている部屋でも無いので、言語化してみないと分からない事でした。
優先順位を決める
- 『やりたい事』の欲求がより強く、実現可能な順に並び替える
- 『やるべき事』を優先順位の高い順に並び替える
たぶん今のライフステージや、どういう価値基準で優先順位をつけるかで結果は大きく変わってくると思います。
利他的な行いが少なく見えても自己嫌悪に陥る必要はありません。
マズローの欲求5段階説を思い出して頂ければ分かると思いますが、生理的欲求が満たされれば永続的な幸福感に満たされるわけでは無い一方で、資本力が無ければ無償の愛を与え続けるのも困難です。
抽出された身の丈に合ったタスクを大事にしましょう。
大好きな芸能人に合いたいという気持ちと素直に向き合う事も大事なんだと思います。
ブレインダンプはビジネスマンの利用者が多いので、やれ起業だの、やれ年収だのといったワードで語られることが多いですが、“家族との時間を増やしたい”とか“友達とゴルフに行きたい”とか、プライベートの充実が上位に来るのも素晴らしいことですよ。
※解決する必要のない問題は捨てる
ここでちょっと個人的なコラムをぶち込ませて下さい。
今回は特別にベストセラー書籍の『7つの習慣』や、多くのマーケティング関連書籍でお馴染みの“時間管理マトリクス”を用意しました。
ブレインダンプの本筋とは別のフィルターを通してタスクを見渡すことになってしまいますが、『やるべき事』のリストをこなしていく上では相性が抜群です。
ブレインダンプの結果と照らし合わせて確認するだけでも充分効果はあると思います。
重要かつ緊急のタスクから実行していくのは当たり前なのですが、ブレインダンプでは願望や欲望も吐き出してしまうので、重要でも緊急でもないタスクが一定数出てきてしまいます。
僕の場合は『やりたい事』の中に“アニメを見る”というのが出てきてしまいました。
ここ数ヶ月は2~3日に一度はアニメを見ていて、若干依存症っぽくなってしまっていたのですが、ブレインダンプと“時間管理マトリクス”の合わせ技で、自分が本当に欲しているものが分かって物事の優先順位も立てられるようになったので、減らすと決めたわけでも無いのにアニメに割く時間が極端に減りました。
欲求ベースのみで判断すると優先度が高いものでしたが、もっと大事なものが見えてきたからかもしれません。
もちろんアニメ関係の仕事をされている方など、アニメ視聴の優先度が高い人もいるとは思います。
【関連書籍】
実行に移す
ここまで来たら後は『やるべき事』の緊急かつ重要のタスクを片付けていくだけですね。
最初に言いましたが、初心者にとってはブレインダンプをするだけでも充分に効果があります。
副業不可のサラリーマンや公務員の方だと実現不可能なタスクが出て来る事も多いと思いますので、出来ないタスクで自己嫌悪に陥ったりはしないようにして下さい。
一番無駄なことです。
最初はタスクをこなすのに時間が掛かるかもしれませんが、慣れてきたら1ヶ月に一度は行いましょう。
繰り返すほどに精度が高まって、実行スピードも速くなってきます。
応用編
もちろんブレインダンプは目的によっていくらでも応用が効きます。
禅やヨガの実践者の方にとってもはブレインダンプをするだけで瞑想の質が良くなるはずですし、ビジネスアイデアを出してまとめるのにも役に立ちます。
正直なところ、僕みたいなグルメ&筋トレブロガーがビジネスに関して上から目線でアドバイスするわけにはいかないので、ここでは有名な経営コンサルタントの平さんの方法をシェアさせて頂きます。
PDFダウンロード⇒『平秀信のブレインダンプ法』
ご本人のビジネスサイトは⇒こちらです。
ツール&フリーソフトの紹介
手を使った方がより脳を刺激できるので、ブレインダンプの基本は紙とペンだと思います。
でも実は、僕が初めて実践したときは紙とペンは使わずに、“Googleスプレッドシート”上で行いました。
行と列の広い範囲を見渡せるのが便利だし、パソコンからもスマホアプリからも編集できるのはジャーナリングの役割も果たしてくれて一石二鳥に感じました。
ただ、“Googleスプレッドシート”はセルの入れ替えがドラッグ&ドロップでは出来ないので、優先順位の入れ替えをしたいときに不便なんですよね。
そこで便利なのが、
Trello
です。
エクセルで言うところの縦の列もそれぞれ独立していて入れ替え可能で、セルの移動もドラッグ&ドロップで斜め移動とかもできます。
『やりたい事』のタスクを簡単に『やらなければいけない事』の移動させたいところに移動できるので、僕のお気に入りの無料ソフトです。
しかもウェブブラウザ上で動作してスマホアプリ版も同期可能なので、非常に便利なタスク管理ツールですよ。
ブレインダンプ以外にも使い道いろいろです。
マインドマップ
ブレインダンプの基本はシンプルに“頭の中を出し切る”という事だけなので、慣れてきたらマインドマップもツールとして使えます。
ブレインダンプの結果を体系化するために補助的に使うのも良し、プロジェクトのメインテーマからブレインダンプで派生させていく使い方も良し。
マインドマップツールは世界中に大量にあって、僕も全てを使ったわけでは無いのでどれがお勧めとかはありませんが⇒coggle
まとめ
見えないモノを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ
引用:天体観測
ブレインダンプそのものは、脳の中身を出し切るアクティビティーでしかありません。
起業家志向が強い人は家族と過ごす時間が減ってしまうかもしれませんし、タスク処理がすんなりと行かない事で自己嫌悪に陥ってしまう人もいるかもしれません。
因みに僕が最近ブレインダンプした時は、家族や恋愛に関する『やりたい事』が一つも出てきませんでした。
読者の方もタスク処理に没頭するあまり、家族やパートナーとの時間を疎かにし過ぎないようにして下さいね。
ソーシャルワーカー的なフィルターを通したタスクが多く出てしまう人こそ要注意です。
また、部屋が散らかっている人は関連記事のこんまりメソッドの片付け法も試してみて下さい。
⇒こんまり先生流『人生がときめく片づけの魔法』を実践レビュー!
ブレインダンプとの相性も非常に良く、二度と片付ける必要の無い部屋にすることができます。